【シティマーケティング書評】住民・行政・NPO協働で進める 最新 地域再生マニュアル

04.16

タイトル :

住民・行政・NPO協働で進める 最新 地域再生マニュアル

発行年月日 :2010/06
著者   :山浦 晴男
出版社   :朝日新聞出版
ページ数  :249ページ
AmazonURL :住民・行政・NPO協働で進める 最新 地域再生マニュアル

地域再生マニュアル

(目次)


序章 地域再生に道筋はあるか
第1章 連携・協働の場をつくることで、住民は地域再生にどう立ち上がったか
第2章 連携・協働の場を設営し、地域再生に取り組んでみよう
第3章 連携・協働の場をつくることで、地域再生が始まっている
第4章 連携・協働の場づくりによる地域再生から見えてきたこと
作業要綱
あとがき

▼▼▼概要▼▼▼


KJ法(事例1でやりましたね。懐かしい!)の研究と普及に20年従事した筆者が取り組んだ、地域再生の成功事例と方法論を、数多く紹介しています。

特徴は、「住民の自発的な地域再生への取り組み」を、どう引き出していくかを、具体的なプロセス・実例とともに解説していることです。

行政だけでなく、住民も巻き込んだプランニングと実行支援が必要なケースでは、マニュアルとして持っておくと良いと思います。

▼▼▼感銘を受けた点▼▼▼


「寄り合いワークショップ」という連携・協働の仕組みと、その運用方法を具体例を交えて、解説しており、とても分かりやすいです。

地域再生を実行するプレイヤーは「住民」「行政」「NPO」の3者が中心です。しかしどの地域も、それぞれが下記の課題を抱えています。

【住民】
地域再生は行政が中心となって行うもの、という認識が根強く、自分たちが中心となって進めていく、という意識が薄い。
また地理的条件が悪い地域で高齢化が進んでいる場合、自分たちが何かやってもムダ、という諦めがある。

【行政】
予算・リソースが限られているため、行政だけで実現できることは限定的。
また縦割り組織のため、通常のプロセスでは、組織横断的な試みは難しい。

【NPO】
地域再生の熱意もリソースも持っている。
しかし往々にして住民との温度差があり、そのギャップが時に善意の押し売りにつながり、対立を生む。

この課題をクリアするために、この本で紹介されている方法論が「寄り合いワークショップ」です。

基本的なプロセスは会社内で、部門横断的なプロジェクトをやる場合のワークショップと変わりません。
しかしアイディア出しや文章化になれていない住民でも、楽しんで取り組めるような仕掛けがしてあります。

▼▼▼シティマーケティングにつながる視点▼▼▼

この方法論を上手く活用すると、下記の2点でシティマーケティングにつながります。

①マーケティングのベースとなる「地域の強み」を、多面的に洗い出すことができる
②その強みを住民が高めていく仕組みを構築できれば、更に価値が高まっていく

ただし疑問として、この本で描かれている著者が行ったプランニングや実行支援に対して、どの程度の対価が支払われているのか、という点です。

紹介されている自治体はどこも小さいので、支払える対価も限界がありますし、また住民やNPOとの間の合意形成や、やる気を出すところまで持っていくのにかなりの労力がかかります。

どこまでシティマーケティングが踏み込むべきか、という線引きを考える上でも、良いテキストだと思います。

中小企業診断士 稲葉 (MPAメンバー)

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