これで伝わる!コミュニケーション術

02.12

様々な情報が飛び交う現代社会、個人の意思決定にも様々な情報が使われています。総務省によると、一人が処理する情報量は10年前の600倍近くにもなっているそうです。

このような情報洪水の中を泳いでいる私たちは、洪水の中から個々に意味のある情報を拾い上げてコミュニケーションをとっているのです。

洪水のような情報量ですから、誤った情報や意図せず拾い上げた情報などを元にして、思いもよらない形で情報が発信されることがあります。

それが原因で誤解を生んだり、人間関係が悪化したりすることもあります。

できることなら誤解や人間関係の悪化は避けたいもの。ここでは、できるだけ相手に伝わるようなコミュニケーション術について考えてみます。

 

1.伝える前に一呼吸画像1

相手に何かしら情報を伝えるとき、反射的に情報を発していることはありませんか?

議論がヒートアップしてくると、ついつい自分もアツくなって相手の人の話にかぶせてしまうこともあることでしょう。

しかしこれは、円滑なコミュニケーションを行う上では間違いです。

なぜなら、相手から発せられた情報を正確に噛み砕く前に自分の思っていることだけを話すということは、相手が欲している情報を無視した行為だからです。

たとえるならば、相手から投げられたボールを取る前に自分からボールを勝手に投げるようなものです。

円滑なコミュニケーションをする際にまずすべきこと。それは相手の話に耳を傾け、自分から話したくなっても我慢して一呼吸置くことです。

これにより、相手からの会話情報が正確に処理され、円滑に回答を返す下準備ができます。

 

2.伝える相手に「どうなってもらいたいか」を具体的にイメージする画像2

次にすべきことは、自分が情報を相手に伝えることで、相手にどうなってもらいたいかを具体的にイメージすることです。

たとえば、仕事もそろそろ終えようかという頃に急な仕事が舞い込んできて、部下に色々とお願いをしないといけないときなど。

このようなシーンでは、「部下が気持よくこちらの頼みを聞いて仕事を引き受けてくれる状態」というイメージになるでしょう。

ここでのポイントは、「気持よく」という点です。円滑なコミュニケーションのためには、お互いが「気持よく」情報のやりとりをすることが必要だからです。

 

3.相手の言葉で「なってもらいたい姿」を支える根拠を探す

イメージができたら、そのイメージを相手の言葉で置き換えてみましょう。

先の例で言えば、「僕(私)は、先輩の仕事を引き受けますよ」となります。

さて、ここで問題です。どうやったら「僕は先輩の仕事を引き受けますよ」と言ってくれるでしょうか?ここで一番ポイントになるのは、「相手の目線で理由を考える」ことです。

部下の事情を考えてみましょう。部下の仕事に対する思いは何でしょうか?スキルアップでしょうか?お客様のためでしょうか?上司のためでしょうか?それとも、仕事なんか面倒くさいと思っているのでしょうか?

部下が仕事に対してどのように考えているかによって、伝え方は変わってきます。

ここでは、スキルアップにつながるので仕事に対するモチベーションは高く、お客様からの信頼も篤いが、今日は疲れているのでできたら早く帰りたいと考えている、という設定としましょう。画像3

このような場合にどう伝えたら「僕は先輩の仕事を引き受けますよ」という状態を作り出せるでしょうか?

以下の3点の切り口で考えましょう。

  • まず、部下はスキルアップすることに対してアンテナが高いので、その仕事のスキルアップにつながる面を強調して伝えます。たとえば、「この仕事は、君のビジネスプラン作成能力をかなり向上させてくれると思うんだ。」という感じです。
  • 次に、お客様から信頼を得ているので、お客様のためになる点も強調して伝えましょう。「お客様が我が社だけにお願いできないかっておっしゃってるんだよ。」という感じ。
  • そして最後に、今日帰りたいと思っている部下へのフォローを必ず入れることです。「明日は遅めに出社してくれてもいいから。」などです(もちろん他にもフォローになることがあればそちらでも構いません)。

このように、部下の立場に立って3つの切り口で考えました。このように相手に対して物事を伝えるときに多面的に伝えることを考えることを、「構造化して考える」と言うこともあります。結構大変だと思いましたか?そうなのです。相手の立場に立って伝えたいことを伝えるのは実はとても大変な作業なのです。でも安心してください。これらの作業は、練習をすればすぐに出来るようになります。

 

4.構造化した内容を、優先順位をつけて伝える

最後は、構造化した内容を優先順位順に伝えます。今回の例ですと以下の様な感じになります(帰りたいという思いが優先している部下を想定)。

「◯◯くん、疲れているところ申し訳ないんだけど、明日までにこの仕事をお願いできないかな?本当に急で申し訳ない。実はお客様からさっき急な依頼があってね。明日までに仕上げないといけないんだ。明日は午後出社にしてくれても大丈夫だから。この仕事を仕上げたら、君のビジネスプラン作成能力はかなり上がると思う。それに、お客様は我が社にだけにお願いできないかっておっしゃってるんだよ。何とかお願いできないかな?」

部下の立場で優先順位を考えると、帰りたい思いが最優先なので、まずそこに対するカウンターとして「明日は午後出社にしてくれてもいいよ」という案を出します。

そして、スキルアップ、お客様からの信頼、という順で話をしていきます。

このように、部下の考える仕事に対する価値の優先順位順に伝えることで、「気持よく」依頼を受けてもらえるのではないでしょうか。

コミュニケーションはよく「会話」と訳されますが、私は「対話」であると考えています。

相手が話した内容や思いを相手の立場で理解して、その理解に対して相手の構えている場所にボールを返してあげること。

お互いに向き合っているからこそ出来る対話。これが円滑なコミュニケーションを作り上げると思うのです。

しかし、もし「部下なんだから引き受けるのは当たり前だろう」と思った方は、一度嘘だと思って上記の内容を実践してみてくださいね。

 

中小企業診断士 堀江 賢一(MPAメンバー)

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