ベトナム人技能実習生の活用について

01.24

筆者は2014年12月にベトナムの首都ハノイを訪問した。目的は、技能実習生として日本に派遣される予定の現地の若者に対し、日本企業の文化や職場での注意点などについてセミナーを行うためである。

本稿では、現地でのセミナーの様子を交えながら、外国人技能実習生制度の内容や中小企業における活用方法などを紹介する。

<外国人技能実習生制度とは>

「外国人技能実習生制度」とは、新興国の経済発展・産業振興の担い手となる人材に先進国での就労の機会を提供して進んだ技能や知識を習得してもらい、それら技能を母国で活かしてもらうという制度である。先進国から新興国への技術移転を通じて、国際貢献するという我が国の政策の元に運営されている仕組である。(制度の詳しい内容は公益財団法人 国際協力研修協力機能(JITCO)のHPに掲載されている。)

本制度では、所定の手続きを経て来日した外国人に対し最長で3年間の在留資格が与えられる。その期間中、企業にて従業員として就労するわけである。もちろん、日本企業で働くわけであるから、必要最低限の日本語能力とマナーが求められる。そこで登場するのが「送り出し機関」である。送り出し機関とは、実習生が来日する前に、母国で日本語やマナー、生活習慣など習得する一種の学校である。

ベトナムにもそのような送り出し機関が多数あるが、今回筆者が訪問したのは、ベトナムの国営港湾会社 Vinalinesの系列機関であるVinalines人材派遣会社である。筆者は、同機関の日本でのパートナーを通じて現地でのセミナー開催の要請を受け、出張してきた次第である。

<送り出し機関でのセミナーとベトナム人の気質>

セミナーは、Vinalines人材派遣会社の研修施設内で行った。同施設では約200人の実習生候補者が来日に向けて日々勉強をしている。もっとも注力しているのはもちろん日本語である。実習生候補者の意欲は非常に高く、正規の授業外でも熱心に自習しているとのことである。

スクリーンショット 2015-01-24 9.22.00        Vinalines人材派遣会社の幹部と(中央が筆者)

 

スクリーンショット 2015-01-24 9.21.30

 

セミナーは「日本企業の職場における文化」というテーマで行った。主に、日本人と働く際の心構え、留意点、また日本での生活習慣についてレクチャーした。2時間程度の短いセミナーだったが、質疑応答の時間ではほとんどの候補者が日本語で質問をしてきた。

スクリーンショット 2015-01-24 9.22.26

もともと、ベトナム人の気質は日本人のそれに似ていると言われる。勤勉で手先が器用という共通点があり、そ日本企業でベトナム人の評価に繋がっている。ちなみに、ベトナム人の気質を表す言葉として、「4K」というのがある。1.勤勉、 2.器用、3.向上心、そして4.カカア天下、である。確かに日本人にも当てはまりそうだ。特に4は。

<中小企業における制度の活用について>

中小企業、特に製造業では求人を出してもなかなか日本人が集まらず、人手不足に陥るケースが多い。そのような問題の解決策として、本制度が活用されることが多い。また、人件費の抑制という効果も期待できる。もちろん、ベトナム人だからといって不当に安い賃金を設定することは許されないが、日本との比較においては優位性があることも事実である。

言語・文化の違いから、日本人に比べて指導が大変であるなどのデメリットはあるが、総じてベトナム人は勤勉かつ手先が器用であり、日本人従業員より活躍する事例も多くある。日本人従業員にいい意味でのプレッシャーを与える目的で実習生を活用する経営者もいるようである。また、将来ベトナムに進出を考えている企業が、人的コネクションを築く目的で実習生を活用するケースもある。

このように、技能実習生制度は活用方法次第で様々な効果が期待できる。人材面で苦労している企業にとっては、選択肢の一つとして認識しておいて損はないであろう。

中小企業診断士 中高英明 (MPAメンバー)

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

s01-1

MPA-Banner07

MPA-Banner08

MPA-Banner09

ページ上部へ戻る