売上高を上げるには

02.04

(中小企業診断士・一級販売士 蜂矢維史)

「売上高を上げたい」

 

商売をしている方なら、こう思わない方はいないですよね。

もちろん「お客様の笑顔が見たい」「世の中のお役に立ちたい」という想いも大切ですが、それを実現するにも利益が必要です。利益を得るためには一定の売上高がやっぱり必要です。

けれども毎日の作業に忙殺されてしまう経営者の方も多いようです。漠然と「売上高を上げる」というのではなく、何のために何をするのかを立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

そもそも売上高を分解すると、

売上高 = 購入したお客様の数(買上客数) × 一人あたり買上金額(客単価)

となります。だから、売上高を上げるためには買上客数と客単価のどちらか、あるいは両方を上げることが必要です。

さらに、

買上客数 = 来店したお客様の数(来店客数) × お買上げになる確率(買上率)

客単価 = 買上商品の平均金額(商品平均単価) × 一人あたり平均買上個数

となります。

よって、

売上高= 買上客数 × 客単価

=(来店客数×買上率)×(商品平均単価×一人あたり平均買上個数)

ということができます。

 

いわずもがな「売上高を上げる」とは、上記の4つの要素のどれか、あるいは全部を上げていくということです。今、取組んでいる売上アップ策は、果たして4つの要素の中でどこに働きかけているのか?これを考えずには、せっかくの策も効果が不十分になってしまうことでしょう。

 

では具体的にはどうしたらよいのでしょうか?

 

1.来店客数を増やすには

来店されるお客様が増えれば買上率が変わらないかぎり自然と買上客数も増えます。そこでチラシや店頭看板などでお店の宣伝をすることが思い浮かぶと思います。ここで特に中小企業にとって大切なのは、同じお客様でも既に一度ご購入いただいた既存客(ユニークユーザ)を意識することです。なぜならユニークユーザはお店に対しての安心感を持っており、新規のお客様に比べて客単価も高く、クチコミを醸成させることで新たなお客様を増やし、さらなる売上アップに繋げていただける可能性も持っているからです。このため大手があえて行わないような親切接客や細かい対応でユニークユーザを増やすことが求められます。

 

2.買上率を高めるには

ご来店されたお客様に買っていただける確率を上げる。そのためには、お客様が求めているものを品揃えするのはもちろんですが、それ以上に大切なのは、お客様が欲しくなるような、その商品を手にしている自分のイメージが浮かぶような売場づくり、演出、POP説明、接客を一貫して行うことです。例えば洋服店の場合、春先だけどまだ肌寒い時期に、コートに薄手の明るいストールをコーディネートした演出で「雑貨の色使いから春を取り入れてみませんか?」と訴求すると、自分が着用しているイメージがわき、元々買う気がなかったとしても自然と購買意欲が湧いてきます。お客様は自分で気付いていない潜在的なニーズを必ずお持ちです。そこにお気づきいただくきっかけづくりをすることが求められます。

 

3.商品平均単価を上げるには

一日の買上客数が限られている中では、お客様ひとり一人にお買上げいただく商品をワンランク上にすることなどで商品単価を上げることも必要です。もちろん、ムリ売りは禁物です。おすすめする品がどのように優れていてそのことがお客様ご本人にとってどう有益なのかをお伝えし、ご納得の上でお選びいただくことが大切です。そのためには売り手がしっかりとした商品知識を持つこと、そしてお客様の立場に立って考えられる商人としての資質を身につけることが求められます。

 

4.一人当たり平均買上個数を増やすには

お客様一人当たりの買上個数が少ないと、多くのお客様に接客している忙しさにも関わらず売上はあまり伸びない、という状況になりえます。そこで関連販売やまとめ買いをおすすめすることが必要です。ここで大切な考え方は、その店では一つの商品しか買わないかもしれないが、お客様にはそれぞれのライフスタイルがあり、その中で何かを満たすためにその商品を買われるということです。例えば「白いワイシャツを探している」とお申し出いただいた場合、お仕事用なのか、冠婚葬祭用なのか、はたまたプライベート用なのか、それによっておすすめする品や追加でご提案できる商品も変わってきます。最終的にお選びいただくのはお客様自身ですが、ご自分では気づかない提案の結果として喜んでお買上げいただくのならば、お客様のお役に立てたということになります。常にお客様の目線で売場づくり接客をすることが求められます。

 

このように一言で「売上高を上げる」といっても何のためにするのか、によって取組む方法は異なります。まずは自店の売上高を分解してみて、4つの要素のどこに問題があるのかを確認した上で打ち手を考えていくことが、結果として売上高を上げる近道になることでしょう。

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